愛妻を失って、その後ずっと朝日のコラムを休筆していた吉田秀和のエッセイに、久しぶりに出合った。そうそうマメな読者ではないので、彼のことをよく知っているわけではないけれど、中原中也と若い一時期を一緒に過ごしたことを知って、へえーと思った。
いかにもやんちゃそうなイメージの中也とアカデミズムの中核といった硬いイメージの吉田秀和、なんだかマッチしない感じだったから。
中也といえば、NHKの特集で在野の研究者(残念ながら名前が出てこない)が、中也の東京暮らしを「仲間から血祭りにあげられ」と表現していたことが、なんと大げさな、から、いや、そういうこともあり得るか・・・との印象になっていた昨今(まあ、いろいろあってね)。
二人を結びつけるキーワードは「死」だろうか。
吉田がなぜまた書くことにしたのかと問われ、「もう死ぬから」と記者に答えた別の記事も心の奥を引っかいた。
明日は母の墓参りに行くつもり。「お墓の前にいません」とのことだけど、でも会いに行く気分少し。