長女が引越しをした。わが家を出てからこれで6か所め。5回までは毎回親が手伝いに出て行ったのだけど、6回目の今回は彼女に任せた。
いや、大甘の親としては心配で出て行きたい気持ちもあったんだけど、娘の自立のためにぐっとこらえなくちゃと思ったし、決定的には私の仕事の都合がつかなくて断念した。
夫ははじめから今回オレは行かねえぞと言っていたので(そのくせ私が行くと決めればたいてい付いてくる)、私が仕事で行けなくなってかなりほっとしたらしい。ナビなしのボロ車での都内ウロウロはもうこりごりだと、今までにも繰り返し言っていたしね。
今回の引越しに親が出て行きにくかった理由はもう一つある。今回は彼女がパートナーとルームシェアをすることにしたからで、その彼と二人の共同作業にはやっぱり親は出て行かないほうがお互いハッピーかなとも思ったのだ。
実はそのパートナーに、親の我らは会ったことがない。娘の話を聞いただけ。いや1度、次女の事件の際にちょこっと電話で声を聞いたのと、たった1度、やっぱりちょっとした事件があってメールをもらったことはある。でも、たったそれだけの付き合いなのだ。
「引越し」と娘が位置づけてるので親としても単なる引越しと受け止めてきたんだけど、実はそのパートナーとこれから同じ部屋で一緒にやっていくってことは、実質的なケッコンていうことになるんだろうなあ。これって昔リブだなんだと突っ張ってた若者がこぞってやった事実婚てやつと同じじゃない。あきれるほどすべてが簡単に進んじゃったけど。
挨拶に来たいという彼に来なくていいといい、相手の親がご挨拶をと言っているらしいがまあそう堅くしていただかなくもと、遠慮する。向こうさんからみれば、うちは変な家庭に写るだろうなあ。でも、娘が重い「家」なるものに押しつぶされず、伸び伸びと勉強するにはこの形が案外いいかもしれない。
その先は目下思考停止。
こんなこと言ってるのは、親としてやっぱりヘン? 大人になれてない親なのかなあ、私たちって。
[追記] お隣の国の惨状を詳しく知るにつけ、のんきなことを記していた自分をしばし反省。生命は、とてもはかない薄氷の上で保たれているんだなあ。普段は忘れてるけど。