本日、市民ネット環境講演会「原子力発電と使用済み燃料の処理を考える」。
環境問題はいまや巷のお茶飲み話でも出てくるけれど、今回のはあまりにカタイ内容で、かつ入場料も取って、本気で聞きたい人が来てねという講演だったので、どのくらいの人が来てくれるかがメンバーの大いなる気がかりだった。が、フタを開けてみれば約40人ほどの参加者。これは、わが市にあってまずまずの人出だったんじゃなかろうか。
講師は原子力資料情報室の西尾先生。とつとつとした話しぶりだけれど、気負ったところがなく実に正直な方で、ことばが素直にしみこんできた。コツコツと地味な活動を続けてきた方の言葉は、おのずと説得力を持つようになるのかもしれない。
・原子力発電でも、発電の原理は簡単。核分裂のエネルギーで水蒸気を作りその力でタービンをまわすのが沸騰水型。沸騰水型の水は圧力容器内部にあって、汚染された水になる。これを海水で冷やして、また使う(この温められた大量の海水は海へ捨てられる⇒新たな環境問題が発生する)
・圧力容器の外の蒸気発生器にエネルギーを移し、これでタービンを回すのが加圧水型。こちらの水はきれいだが、構造が複雑になる分事故が増える
・原子力発電では、いつも一定量の出力。調節が利かない⇒出力調整のため、あるいは柏崎の地震のように何かあった時のために、常にサポート用の揚水発電所や火力発電所を用意しておく必要がある⇒原発でCO2は減らせない
・原子力発電には核燃料サイクルが常に必要になる。ウラン鉱石が製錬を経て濃縮ウランになり発電に至る過程すべてで、核の廃棄物が出る。古い原発も解体すれば大量の核廃棄物。この処理費は膨大なので少し大目にみてよ⇒クリアランスレベルの廃棄物なら、一般廃棄物として処理していいよ。埋めちゃってもいいよ⇒でも金属の場合は「リサイクル!」もするらしい⇒このリサイクル製品はすでに使われている。今は評判を気にして原発内部だけで使われているだけだが、市場に出回る日もそう遠くはないだろう…「元原発のフライパン」は実際にあり得る話だ!
・地震であらわになった多くの不安材料:原発震災では、トラブル全体を見通せる人がいない
・老朽化する建物・ベテラン職員の退職・人為ミス多発
・原発を稼動させるとできてしまうプルトニウムは、核爆弾の材料になるのでそのまま保持はできない⇒再処理してまた使うという姿勢を見せたいがトラブル続出(この
再処理をするのが、トラブル続きで稼動が延長されてきたがとうとう来年2月に操業を始める
六ヶ所村だ)⇒電力会社としては、やったどーで1回やって体面を保ちつつ、実は早々に終わりにしたいくらい
・電力会社も官僚も、原子力発電はここらでもうストップしたいと内心思っているが、責任問題が出てくるのでどちらも言い出せないというのが実情
・一人ひとりの行動は些細なものでも、声が集まるとそれにあわせて会社が動き社会が変わる
・微力のように見えても、各人のエネルギー消費をできるだけ少なくすることで社会を変えられる
とまあ、こんな感じの展開だったかな。
夫の都合で今朝は4時起きしたことも手伝って、真剣に聞いてはいたのだが一時意識不明になりかけたりしたこともあって(必死で我慢)、ちょっと(だいぶ?)あやふやな部分もあるがご容赦!
いつか、のっぴきならないことが起こる前に、たくさんの人が「放射能は怖いんだ」ということを実感してくれるといいのにと思う。