だいぶ仕事の量もスリムになってきてイライラすることが少なくなったのはいいんだけれど、そうなると今度はいいしれぬ不安が頭をもたげてくるのは、在宅フリーの哀しい宿命。
幸い、友人紹介の実にありがたい仕事、「量ほどほどでコンスタントにくるもの」もあるので、ホントはそうそう悩まなくもいいはずなのに、身辺がちょっと静かになると「ひょっとして仕事内容に問題でもあったんだろうか」「そろそろ運も尽きて、ご苦労様になるんだろうか」なんて、どうもひがみっぽくなってしまうのは、余計なことを考える時間ができるせいか、困ったもんだ。
とはいっても今年は仕事キツキツにして帯状疱疹になったこともあるし、まあ9月半ばあたりにまで様子をみて、それでも動かなかったら営業するか…なんて構えていたら、なんとあちらさんからやってきたではないの。前から話はあったのにずっと動かなかった仕事。さすがにもう立ち消えなのかと思っていたら、「そろそろゲラが出始めます」と突然連絡がきた。
そういえば、今、超ゆっくりペースで動いているあの分厚い翻訳本も、原稿データの記録をみると動き始めたのはかなり前のことらしい。私が受ける前は、まるで冬眠していたみたい。理系の単行本って、こんなに時間かけて動いてるヤツがけっこうあるの?(別なので早いのもあったから、全部がそうというわけじゃないだろうけど)
でも、情報的には日々更新されている分野だろうに、こんなんで日本は大丈夫なんだろうか? 日付けが勝負のジャーナルの世界と、なんかペースが違うなあ…と思いつつも、一方でこのゆったり感に救われている今日このごろ。
このあとまた忙しくなるんならということで、きのうは急遽お休み日に設定、夫と二人で前橋文学館まで行ってきた。鈴木志郎康展は我ら二人っきりの貸し切り状態。3階展示室には職員もいなくて、のびのびゆっくり、すみずみまで鑑賞できてしまった。こういうのがいちばんの贅沢かな。
賞をもらった有名詩人の心の中にも、あらまあなにかと嵐が吹くのですな。誰もが心の中に、ときに暴れるイキモノを飼っているのね。たいへんなのは、みんなおんなじかぁ…。